未来は予測するものではなく自ら創るもの


「皆さん、『素晴らしい本ですね。でも読むのが凄く大変です、、、(笑)』と言っていただけますが、書いた私はもっと大変だったんですよ!(笑)」

講演の冒頭にそう言われた著者の、尾原蓉子先生。

その素晴らしい本とは、「Fashion Business 創造する未来」

繊研新聞社さんから昨年9月に出版された、450ページにもなる、ファッションビジネスの本です。

尾原さんは、東大、米国F.I.T(Fashion Institute of Technology)、ハーバード・ビジネススクールを出られ、長きに渡り旭化成にお勤めになり、現在は様々な公職につかれています。

この本はファッション・ビジネスの草分けとして50年の体験に基づき、
「どうしても書きたかった。これを書かずして死ねない、、、」と
4年の歳月をかけ書かれた、渾身の1冊。

これからのファッション・ビジネスを、マーケティング、モノ作り、流通、人材育成、、、様々な角度から分析され、未来への提言をされています。

ファッション・ビジネスだけでなく、多くの業種に全く共通するお話なんだと思うな。

私も読み進めて行くうちに、「この本、ホント、ヤバいわ、、、」
久しぶりに、もの凄い名著に出会うことが出来た思いでした。

こんにちは。

そんな尾原蓉子さんが、今年の繊研新聞さんのファッションビジネス懇話会「箱根トップセミナー」のメイン講師と聞き、すぐに申し込み、2日間のセミナーに参加をしてきました。


キーワードは、、、

「デジタル」と「ディスラプション(秩序などを破壊)」による「パーソナル化」

私たちは、多くの過去の成功体験や業界の常識を破り、それを超えていかないといけません。

「アパレル商品を売る」のではなく、消費者個人の「ライフスタイル創りの支援」をすると言う考え方にたち、企業が主導する時代から、スマホも持つ「個人」が主導する時代へ。
それをデジタル技術が支援すると言うイメージです。

大事な言葉は、「レレバント = 私に意味があるもの」

トレンドだから、、、ブランドだから、、、と言う消費はなくなっていきます。
自分にとって、それが意味あるものなのか、と言うことです。


講演の内容のお話は、ここでは書ききれないので、私なりに捉えたことは、、、

「テクノロジーは転換点(Tipping Point)に達した」

と、言われるように、留まることを知らず、これからますます加速されていきます。

ですから、この流れに着いていかなきゃならない、とか、勉強しなきゃならない、、、とか、そう言うことではなく、ファッションだけでなく、すべての分野、世の中が自然にそうなっていくのです。

良いとか悪いとか、好きとか嫌いとかじゃなくて、基本のインフラになっていくんです。
だから、人間はそれに準じていくわけだし、自然にそれに対応していくことになります。
気がつかないうちに、順応していくのが人間なんだと思います。
だから、大丈夫!

私たち昭和の世代は、それがない時代を経験してきてしまっているから、階段を1段ずつ昇るように、今についていこう、対処していこうと思うのですが、「Z世代」と呼ばれる1990年から2000年生まれの人たちは、生まれながらにして、「デジタル・ネイティブ」です。

最初からほとんど、モバイルのみで生活をしてきています。すでに、ウェブ、メールではなくSNS世代。
だから、学んでいると言う感覚は持ち合わせていません。

ファッション・ビジネスにおいても、これからはこういうZ世代の若者や、女性がどんどん
先頭にたっていかないとダメなんだと思う。

いくら「勉強をしている」おじさん達が階段を1段ずつ昇るように頑張っても、階段よりはるかに速いスピードで一気に先へ行ってしまう。
この大きな、いつまで経っても埋まらないギャップが、今「売れない」原因なんでしょうね。

AIの話もよく聞きます。

私自身、AIってどこにいるの? いつどこで買えるの? (笑) と思うのですが、これも自然に、いつの間にか私たちの側にいるのでしょうね。

AI、テクノロジーの進化、台頭で、無くなる職業、無くなるモノ、、、
今は、どの企業も人手不足で苦労していますが、そのうち人が必要でなくなります。

でも、、、
尾原先生はこう言われました。

「AIがどんなに進んでも、ゼロから創るのは難しいのではないか、、、」

ゼロを創り上げるのは、人間と言うことです。
シンギュラリティーの先に、AIが感情を持たれなければ、、、ですが。

そこで、私が特に印象深く、注目したのが、人間のエモーション。
心を揺さぶられること、心の動き。

講演の中でも、「エモーション価値」と言うお話がありました。
ときめきの価値、ときめく消費、、、です。
しばらくは、AIくんもときめかないでしょうからね。(笑)

綺麗だな〜
可愛いな〜
行きたいな〜
泊まってみたいな〜
やってみたいな〜

って思うことでの消費です。

例えば、ここ1、2年ですごいイベントになったハロウィンなんかがそうですよね。
ハロウィンの衣装を作る親子教室もある。

ディズニーランドやUSJのイベントも、ライブも、、、
イベント以外に、モノにだってエモーションを起こす価値あるモノもあります。

ここでのキーワードは、「参加型」「場作り」「共感」、、、

そこで、頭に浮かんだのは、友人の短パン社長こと、奥ノ谷圭祐さん。
彼のブランド「Keisuke okunoya 」や、彼の企画するイベントです。

「個」を発信して、SNSで関係性を作る。
買い手の「個」一人一人に徹底的に寄り添う。
個人へのお手紙でエモーショナルも起こす、、、

お洋服以外に、コーヒーやカレーも作り、売る。
消費者は、それを買って、そのコミュニティに「参加」したい!と思う。

5月に、秋に収穫する「短パン米」の田植えがあります。
「田植え部」と題して、その日専用のお洋服をお揃いで着ます。
これが普段も着れるチョ〜かっこいい商品なんです。


皆んなが「参加」して、自分たちがその作り手になって満足感を得ます。
この日の為に、大型免許を取得した人もいるんです!!(笑)

お洋服がダメなんじゃなくて、お洋服だけではダメなんです。

最先端を自ら起こしているのが、短パン社長なんだな〜って思いました。

モノを売るな!体験を売れ!

私のマーケティングの師匠、短パン社長も学んでいる、エクスマ(エクスペリエンス・マーケティング)の創始者、藤村正宏先生の基本概念です。

今回の箱根セミナーでは、近年藤村先生が、ずっとお話されていることもたくさん出てきて、大きく頷く場面が多くありました。

世の中では、ここ最近になって「モノよりコト」と言う文字や報道を一般的に多く目にするようになりましたね。 モノ消費ではなく、コト消費。

これは「体験」とはちょっと違う気もします。

「体験を売れ!」の「体験」を今回私なりに解釈するとすると、、、

体験をしたくなる、参加したくなる、エモーショナル(心を揺さぶられる)なことを作り上げ
提供すること。

なんじゃないかな〜と。

そして、AIやテクノロジーは、そんな人間の持つ心、共感する心を生み出す為のツール、、、

なんじゃないかな〜と。

そんな風に思いました。

尾原先生、本当にありがとうございます。
2日間、ご一緒出来て光栄でした。

年齢を書いてしまうと、78歳。(あ、これは公表されていますからねっ!(笑))
他の講師のお話や私たちの発表のお話を、一生懸命ノートに取る姿勢には、感銘しました。
物腰柔らかく、いつまでも新しいことを柔軟に得ようとする謙虚な姿勢、見習いたいと思います。

時代は大きく変化している。

こう言われ出して数年が経ちますね。
そうは言ってもさ、、、
少し前までは、そんな風に思っていたのですが、まさに今、私たちは大転換期の真っ只中にいることを誰もが実感しているのではないでしょうか。

このブログの題名、

未来は予測するものではなく、自ら創るもの

は、尾原さんが冒頭に言われたことです。

この転換期にいることを喜び、楽しみ、未来を創り上げていきたいですね。

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岡崎博之

岡崎博之

私は1963年、東京の下町両国に岡崎家の長男として生まれました。 生まれも育ちも、住まいも会社も、みんな両国のチャキチャキの江戸っ子です。せっかちで、いつもかなり熱くなっちゃう怒りん坊、、、だけど涙もろい性格。(笑) 家業の60年を超える老舗ニット会社、丸安毛糸株式会社の3代目社長になり、14年が経ちました。 これからは「世界中のニットを愛する人たちが集う会社」を目指して、どんどん世界に出て行きたいな。 海外留学の経験から、世界の人と交流することが大好き。旅をすること、ゴルフをすること、美味しいものをたくさん食べることが、大切なライフスタイルです。最近はそれに加えて、カメラを持ち歩きたいな!なんて考えています。
岡崎博之

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